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なれずし

美濃国の鮎なれずし

鵜飼屋地区伝承
本格木桶の寒仕込み

製造工程

岐阜長良川

岐阜城下の鵜飼屋地区には
現在も宮内庁式部職の鵜匠6人が暮らしています

この地区で伝承される
木桶による天然鮎の伝統発酵食




​「その発酵日数は30日間と短い」

 
DSC04276.JPG
なれずし

水揚げ

「結の舟」の鮓の仕込みは天然鮎を水揚げするところから始まります。原材料に使用する天然鮎は産卵に向けて川をくだり始めた落ち鮎です。河原に並ぶ彼岸花の開花が漁の合図。伝統漁法「瀬張網漁(せばりあみりょう)」によって鮮度よく漁獲された鮎の中からオス個体のみを選別します。

下処理

オスのみを使用します。天然鮎のオスは魚体表面がザラつき婚姻色が現れます。錆び鮎です。お腹に抱えている白子と、それに包まれるように萎縮した内臓を取り除き白子や内臓は “うるか” へと熟成させます。エラを除去し腹部内側の黒い膜もきれいに洗い流します。

②塩漬け.JPG

塩漬け

塩漬け期間は20日間。このあとの発酵に30日間を要するため、木桶を開ける日を先に定めてから逆算して、塩漬け作業日を決定させています。

 

この日程に伴い、天然鮎を水揚げする日も調整します。

塩抜き

よい塩梅まで真水で塩味を抜いていきます。このときの加減は経験ではかります。

右写真)鵜飼屋地区に居を構える先輩川漁師さんのご自宅

   台所で熟鮓の製造工程を丁寧に教わりました

③塩抜き.JPG

​乾燥

​すこし秋風にあて、おもに腹側を乾かします。

この乾かし具合が、後の仕上がりを左右します。

④木桶に並べる.JPG

鮎と米飯を詰める

新米を炊きあげ、米飯の一部を水で晒します。木桶に丁寧に鮎と米飯を並べながら詰めていきます。1桶におよそ50尾が並びます。

④木桶に並べる2.JPG

重石、木桶の上面に水をはる

木桶内部の嫌気状態を保つためには外気と遮断させる必要があります。

この役割を水が担います。

重石をのせ、木桶上部までひたひたに水をはったら

この日から発酵が始まります。

乳酸発酵  - 30日間 -

冷暗所で30日間、鮎の発酵を見守ります。

張った水の蒸発具合をみながら必要に応じて水を足します。

水抜き

発酵から30日後に木桶をひっくり返します。

丸1日ほどかけて木桶内部の水気を抜きます。

木桶びらき

DSC04347.JPG
かつて江戸の将軍家へは飛脚により鮓が運ばれました
長良川で鵜飼漁がおこなわれる夏のお話です

岐阜町を出発して江戸に到着するまで “5日間”

その街道は「鮎鮨街道」として現在も岐阜町に
残されています

現代においてこれらを再現できる場所は存在しません
鵜飼屋地区でも晩秋に鮓を仕込むようになりました

寒の時期に30日間だけ発酵させる “生熟れ” といわれるこちらの鮓は最も当時の味にちかいものだと評価されました

手づくりのため年間生産量は限定的です
江戸の将軍に愛された岐阜の伝統発酵食
皆さまのお口に合いましたらば幸いです

 
乳酸発酵
乳酸発酵

発酵したお米には
驚くほど爽やかで
やさしい甘みが宿ります

 

乳酸発酵により、頭や骨、ヒレなどの部位も柔らかくなります
 
乳酸発酵
なれずし
《特 徴》
長良川・鵜飼屋地区に伝承される木桶仕込み製法
川漁師の手で1尾ずつ丁寧に乳酸発酵させています
 
晩秋の長良川本流では瀬張網漁が盛期を迎えます
そこで水揚げさせた雄鮎を生鮮状態で20日間ほど塩漬けし
その後木桶に並べてから30日間の乳酸発酵です

 
晩秋から新春にかけてじっくりと発酵させています
乳酸発酵のため骨まで柔らかく仕上がります

お腹に詰められたお米には優しい甘みが宿り
ご想像以上に爽やかなお味です
なれずし
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結の舟 なれずし
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